読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 3巻読了

フラゲしてその日のうちに読了。学生NEETの特権だね!
今巻も1巻2巻と構成は似たようなもんである。妹とそのアキバ系友人達とのコメディパートがあって、主人公の幼なじみとのまったりパートがあって、最後に妹が抱えた悩みを主人公が解決するシリアスパートがある。分量比はほぼ均等。物語の世界にどっぷり浸かる系の作品ではないので多分適切な切り分け方でしょう。あんまり後腐れなく軽く読めるようになっています。最後の三分の一に事件が起こってから解決まで詰め込んでいるので密度が高いと言えるかも。各巻ごとにシリアスパートのラストにキッチリ見せ場・クライマックスを持ってきている安定感は素晴らしい。1、2巻ではクライマックスもコメディ風味の味付けでしたが、3巻では割と真剣っぽい。ラストの引きと合わせると、シリーズとしての終わりを感じさせる方向性かな。まあ黄金パターンという名の下同じことを繰り返してだらだら巻数増やすよりはいいのかもしれません。
以下、クリティカルなネタバレは避けつつ感想。アキバの描写がどうとかかーずSPが出てきて云々みたいな話はよその方が圧倒的に詳しいだろうから略。

父娘がツンデレ

2巻読んだ時点では主人公(兄)もツンデレだねーとか思ってたんけど3巻でそれは違うっていうのを解説してくれましたね。妹のために毎回働き回る兄貴は「兄妹だから仕方ない」ものだとのこと。

ある種理想の二次元的妹

作中で妹は主人公をかなり手ひどく扱ったり罵ったりしていて、既刊の書評を見ていると妹の主人公に対する態度があんまりで耐え難いという人も結構いますが、そういう人にはこんなに分かりやすくツンデレを書いているのに分からないかー!と叫びたくなります。少なくとも読者目線から見れば妹が兄への好意(別に恋愛感情とかいう意味ではなく、兄として慕うという程度)を抱きつつもツンツンした態度を取る、同じ時間の中にツンとデレが共存する定常型ツンデレであると解釈するのは容易です。ちなみにツンデレには最初ツンのみだったけど時間経過と共にデレてくる過渡型の流儀もあります。
リアル妹がいる人はああ分かるわーという感想をちらほら出しているようですが、そちらには逆にあなたの実妹にデレはありますかと問うてみたい。冷め切った兄妹間では妹が「人生相談」したりなんかしないのではないでしょうか。つまり、本作の兄妹は現実にはまずあり得ない関係を築いているという意味でやっぱり二次元のものであります。

2巻シリアスパート終盤での主人公が持ち出した犯罪とオタクは無相関だという主張について

統計的に有意な相関はないはずだというのはオタクには割と共有されてる認識だと思いますが、それをわざわざ作中で言わせるのはどうなんでしょうねって話。作中で主人公がこの手の主張をしたシーンだけは微妙にテンポが悪くなってしまっています。あとそういう話をしても普通は「善良な良識ある市民」にはスルーされるよね。だってそういう人って生理的な嫌悪感がまずあって、それを強化するために統計とか因果を発見したりするんだもの。鬼畜エロゲやるからそれを真似て犯罪犯すんだっていう主張は直感的にはいかにも正しそうだけどね。まあそれに対する反論は結局愚直に主人公が言ったようなことを主張するしかないのかもしれません。あのシーンは作者が入れたのか編集が入れたのか知りませんが、政治的な主張としてはああいう感じになるのかも。純粋な作品としてどうこうより、リアル社会へのメッセージとして読んだ方がしっくりきます。

強い父親、強い大人

ティーンを扱った作品ではいなかったことにされることが多い父親ですが、本作では重要人物です。それもちゃんと父権を持って登場します。持ちつつ、話の分からない父親ではありません。また、男児一度口にしたること翻すことなかれの主義を徹底的に実践してもいます。また、3巻で登場する人物も主人公達にプロとして接して、プロとして士道覚悟完了という部分を見せています。まあちらっと書かれてる程度ではあるんですが、ラノベでは珍しいんじゃないかな。

デキる人物との向き合い方

この作品の中学生の妹はただ見た目が可愛いだけじゃなくて、成績優秀スポーツも出来るプロの仕事もできる、小説書かせても才能があると何その超スペック死ねばいいのにと思うような設定です。まあこんな妹がいたら普通嫉妬しますよね。自分にも本当に兄弟なのか疑いたくなるほどデキのいい弟*1がいるのでよく分かる。で、こういう出来る妹への嫉妬心に対して、作中で主人公は結果が出ない人間はその人なりに積み重ねたものに意味があるから、それは否定するなと訴えるんですね。
うーん、正論ではあるし、明るい未来へ向かう少年誌的は価値観としてはこう言うしかないんでしょうが、リアルではみんなどう折り合いつけてるんでしょうね。自分はどうしても成果を出せなければ無意味じゃんと思ってしまうのですが。

総評として

オタクなら読んで損はないのではないでしょうか。ごちゃごちゃ感想を並べましたがツンデレ妹に華があってその可愛さを追うだけで普通に楽しめます。妹の味が濃すぎるときには箸休めに幼なじみがいますし。

ところで

邪気眼中二病アニメの主人公さんのイラストが今回出てきたけどデザインがルルっぽくね?

*1:東大生で運動部でマネージメントやってて成績はオール優。ついでに身も心もイケメン。何その厨設定キャラ