太陽の塔

id:houroumusukoさん買わぬ退かぬとか言ってごめんなさい。

太陽の塔 (新潮文庫)

太陽の塔 (新潮文庫)

誘惑に抗し切れず買っちゃいました。しかもわざわざ生協でインターネット予約して。おまけに一気読みしました。
詳細はid:houroumusuko:20070125の通りなんですが、まあぶっちゃけると延々主人公が独り語りで妄想してる小説なんですね。あくまでも悶々としているだけ。ラストで京都繁華街のド真ん中、四条河原町で大騒ぎを起こすわけですが騒ぎを起こしておいてもいざ皆が騒ぎ始めると自分は一歩引いてツバを吐く、そんな捻くれた精神構造。研究室から逃げ出した休学中の大学5回生*1、まさに学生NEETの極み。そして一方的に高みに登っていくその頭でっかちぶり、ああもうこれはどこの自分ですか。
ああそれにしても素晴らしきかな京都!東大路、寺町錦町、四条河原町。自分自身は過去2回数日間滞在しただけですが、なんというか京都は面白い街ですよ。
ちなみにJR東海道線の高架を南にくぐるともう「普通の郊外」で、京都じゃなくなってたりします。京都駅ってそれくらい端っこに立ってる。JR京都駅は「京都」の南端にあって、しかも京都駅ビルっていう巨大なデコレーションで隠されてるせいで通過する人にはその顔見せてくれないんですね。
で、京都の中はどうなっているかっていうと四方を囲まれた狭い盆地の中で1000年分の怨念が醸造されて腐って発酵してるわけですよ。適当に歩けば古刹に当たり、その辺になんとなく清明神社があったりとか。そして京都の中は自転車で一周できるくらいに小さい。なんだか巨大生物の腹の中にいる気分になれます。あ、自分はこの腹の中にいる感がどーしてもダメでこれは住めないなと思ったクチです。東京なら大丈夫なんですけどね。
なんか京都の話になりましたが、要は学生でNEETで京都な小説ってことです。京都在住の学生は必読。そうでなくても高等遊民自認する人は準必修。ただし最初に

なにを好きこのんで、こんな男汁溢れる手記を熟読する必要があろう。読了したあかつきには、必ずや体臭が人一倍濃くなっているはずである。読み終わった後で文句を言われても困る。私の経験から言えば、いったん濃くなった体臭は二度と元には戻らない。

とアラートがあるように、そういう意味では危険な作品ではあります。まあ作中の主人公のやってることの半分くらいはリアルで実践済みの自分にはあんまり関係ないことですが。

*1:ちなみに大学n「回」生、というのは関西ローカルな言い方らしい。少なくとも東京ではみんなn「年」生って言う